馬形
上越市安塚区から見る菱ケ岳の山頂直下には、5月上旬から白いポジ形の「馬形」が現れる。「跳ね馬」とも呼ぶ。
土地の人は春になって馬形のどの部分から雪崩が起きるかで、作物の出来を占う。
「菱ケ岳の雪崩が菖蒲の方向に向いてついたときは豊作、赤雪崩は日照りが多く、黒雪崩は雨が多し。末広の雪崩は豊作、先細りは不作」(「伝承やすづか」より)。後ろ足に雪崩があると菖蒲方向である。
しっぽの太い年は天候が良く豊作で、細い年は水不足で凶作だとも言う。
農事暦としては、馬の尾が細くなるころが豆まき、馬の首が切れるとアワまきの目安にしたという。